はじめに:ベルギーと日本の長年の友好関係、日本におけるベルギーの強い存在感、いくつかの都市との姉妹都市関係について
2016年は、ベルギーと日本の外交関係樹立150周年にあたりました。この記念日を祝うために数々の催しが開催され、2016年10月のベルギー国王夫妻の国賓訪問でその最高潮に達しました。両陛下には、ワロン地域の31社を含むベルギー企業96社の代表団が同行しました。
両国の皇室(王室)は、私的にも密接な関係を保っています。フィリップ国王とマチルド王妃は、2019年5月1日に父・明仁天皇(現上皇)の退位に伴う第126代成仁天皇の即位にあたっても日本をご訪問されました。
また、いくつかの都市が姉妹提携しています(シャルルロワと姫路市、デュルビュイと羽生市、ワーテルローと長久手市)。
ベルギーは、東京にある大使館を通じて非常に良く知られており、7人の職員を擁するワロン地域政府貿易・外国投資振興庁(AWEX)およびフランス語共同体政府国際交流振興庁(WBI)の複合拠点事務所では、ベルギーの専門知識の普及、日本企業の投資の誘致、学術提携、ワロン地域およびワロン・ブリュッセル連盟(フランス語共同体)の日本での広報活動など多くの事業に取り組んでいます。
各種協定
一般的な枠組みと法的根拠:連携協定、常設合同委員会(PJC)、優先協力分野など
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重点分野:高等教育(学術連携、奨学金)、研究・イノベーション、文化産業
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ワロン・ブリュッセル連盟(FWB)と日本との関係は、1973年5月4日にベルギー王国およびその諸機関と日本との間で締結された文化協定の枠組みの一部となっています。
そのため、協力関係の構築は、2018年1月よりワロン地域政府貿易・外国投資振興庁(AWEX)日本事務所内に、文化、科学、技術、学術の推進に特化した現地担当職員を採用し、フランス語共同体政府国際交流振興庁(WBI)の日本における存在を通じて行われています。
フランス語共同体の大学と日本との活発な連携
ベルギーと日本の両国の大学間の活発な協力関係の発展が注目されています。
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リエージュ大学、東京外国語大学と東京大学大学院人文社会系研究科との間
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ブリュッセル自由大学建築学部と早稲田大学大学院創造理工学研究科との間
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ブリュッセル自由大学と同志社大学との間
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モンス大学と東京都立大学との間
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ナミュール大学と創価大学との間
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ナミュール大学と上智大学との間
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ICHECブリュッセル経営大学院と名古屋商科大学との間
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ICHECブリュッセル経営大学院と広島経済大学との間(世界21カ国の経済経営学校の国際ネットワーク(NIBES)のメンバーとして)
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エノー州ルーバン高等専門学校(HELHa)と東京に拠点を置く日本のIoTクラウドプラットフォーム企業であるZ-Worksとの間(ベルギーの工学部学生の日本でのインターンシップの枠組みでの協力を発端として)
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ナミュール・リエージュ・リュクサンブール高等専門学校(l'Hénallux)と函館工業高等専門学校との間
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リエージュ高等専門学校(HEPL)と横浜国立大学との間
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ブリュッセル王立音楽院と愛知県立芸術大学との間
また、学術・文化連絡担当官(ALAC)の活動を通じて、大学間の連携が確立され、協定締結に至りました。
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ラ・カンブル国立美術学校と京都精華大学との間
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ラ・カンブル国立美術学校と名古屋芸術大学との間
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ナミュール・リエージュ・リュクサンブール高等専門学校(l'Hénallux)と函館工業高等専門学校との間
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王立芸術アカデミー(ARBA)と京都精華大学との間
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リエージュ大学と京都精華大学との間
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ルーヴァンカトリック大学と東京都立大学との間
フランス語共同体政府国際交流振興庁ワロン・ブリュッセルキャンパスによる高等教育の推進
日本は高等教育機関にとって、留学生の受け入れや学術・科学協力の両面から重要な国です。
このような背景から、ワロン・ブリュッセルキャンパスは毎年、欧州連合代表部が主催する欧州留学フェア(EHEF)に参加し、欧州で学ぶ日本人学生の募集を行っています。
また、大使館で開催される「ベルギー留学フェア」に参加しています。多くの大学の国際関係(IR)担当者と数多く接することができ、大学訪問やIR担当者との面談につながっています。
科学協力:アジア太平洋地域人材交流基金
WBIはまた、アジア太平洋地域人材交流基金プログラムを通じて、フランス語共同体の高等教育機関の常勤研究員が、日本を含むアジアの提携先と共同研究を行う際の支援も行っています。
共同研究プロジェクトへの参加、二国間または多国間の共同研究プログラムの実施、欧州のまたは国際的な資金調達の恩恵を受ける可能性のあるプロジェクトの実施、価値創造と技術移転のプロジェクトへの参加など、提携国の一つまたは複数の機関との新しい協力関係の構築または既存の協力関係の強化に貢献する研究プロジェクトであれば、いずれも対象となります。
日本との共同プロジェクトにいくつかの案件が採択されました。
https://www.wbi.be/fr/services/service/fonds-mobilite-wbi
奨学金
受入 (IN) 部門には、12ヶ月間(年間21,500ユーロ)の3つの専門分野の奨学金の給付制度があります。
送出 (OUT) 部門については、文部科学省が在ブリュッセル日本大使館を通じて、独自に奨学金を給付しています。ただし、フランス語共同体の代表者3名で構成される選考会に、当共同体も参加しています。
文化活動
東京に現地担当職員、京都に学術・文化連絡担当官(ALAC)を配置し、2019年以降、文化協力は大きな広がりを見せています。
WBI東京事務所
2019年
- パラリンピックの展示およびカレンダー制作
- 高等教育フェア
- リエージュフィルハーモニー管弦楽団公演
- フランコフォニー(フランス語圏)
- 欧州映画祭(EUフィルムデーズ)
- アーティスト・イン・レジデンス:カトリーヌ ロングリー(Katherine Longly)氏(ワン・ストップ・サービス)
2020年
- フランコフォニー(映画)
- 欧州映画祭(EUフィルムデーズ)
- 高等教育フェア
- ニュイ・ブランシュ(白夜祭):「KYOTOGRAPHY 京都国際写真祭」
2021年
- フランコフォニー
- 欧州映画祭(EUフィルムデーズ)
- ベルギー学会
学術・文化連絡担当官(ALAC)は、日本におけるWBIの文化的・学術的活動に大きな影響を及ぼしました。その影響で、漫画、ダルデンヌ兄弟とのマスター(上級)クラスの開催、トマ・マチュー(Thomas Mathieu)氏の漫画「Les Crocodiles」の翻訳、漫画家を紹介するビデオカプセルの制作など、さまざまな分野で積極的な取り組みが行われています。
2020年
- 日本における文芸翻訳者のネットワークを構築し、翻訳プロジェクトの実施と翻訳作品の普及を図る
- 神戸大学に「ワロン・ブリュッセル文芸基金」を創設
- 漫画鑑賞:アングレームへの使節団と日本におけるワロン・ブリュッセルの漫画の研究
- ヨーロッパ文学祭:ディミトリ・ピオ (Dimitri Piot)氏によるウェビナー
- 日本語翻訳者のジョゼ・パロンド(José Parrondo)氏の招聘(残念ながら中止)
- フランス語教師の日
- ワロン・ブリュッセルのオンラインフェスティバル
- ドキュメンタリー映画「Ni juge, ni soumise」のウェブセミナーの開催
2021年
- 読書の夕べ(アンスティチュ・フランセとの共催)
- 京都精華大学国際マンガ研究センターでのワロン・ブリュッセル漫画ウェブセミナーの開催
- フランコフォニー:日本在住の作家・漫画家ジュリエット・ロメロ(Juliette Romero)氏との連携によるワークショップの開催
- 京都精華大学とワロン・ブリュッセルデザインモード(WBDM) とのテキスタイルデザイン共同プロジェクト
- サーカス観賞
また、ワンストップサービスを通じてベルギーの文化事業者を支援しており、毎年、日本での催しの参加に対する多くの助成金の申請があります。
若者の人材交流支援
当フランス語共同体の機関である国際青年局(BIJ)は、日本が若者の間で非常に注目を集めていることを示しています。BIJは、つながりを深め、現地の代表者とより密接に関係を構築したいという強い希望を持っています。
京都文学レジデンシーとの提携
2022年からWBIは、京都文学レジデンシーに3週間の創作滞在をする作家を派遣する連携協定を締結しています。